葛は万能植物

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先日、ご縁をいただき、静岡・大井川にある『葛布』の工房にお邪魔してきました。

 

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葛布とは、葛の茎から取れる繊維からできた織物のこと。
葛布は大変歴史が古く、平安時代には貴族装束に、江戸時代には羽織袴や道中着と、日本人の生活に根付いてきた布だったそうです。

 

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葛というと、河原一帯に根を張り強い生命力がある植物なので、一度は目にしたことがあると思います。

 

そんな葛からできる繊維は、輝きとハリのある糸でした。
こちらの工房では、葛の採取から始まり繊維をとり、手間暇をかけて織物を織っています。
織った反物や着物を拝見したのですが、それはそれは美しいものでした。

 

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現在の私たちの生活の中には、葛粉としての存在の方がポピュラーかと思います。
葛は、体を温める効果や、胃腸を整える、血液の浄化作用があります。

 

葛粉は葛の根を山から掘るところから始まり、そのあと、本葛粉は手作業で何工程も経て製造されていきます。
冬場の水温の低い時期しか製造ができず、60KGの根からわずか9Gしか取ることができないため、とても希少でそのため値段も高価になります。こちらも手間暇をかけて採取されているのですね。

 

葛にはたくさんの栄養素が含まれており、フラボノイドとサポニンに分けられ、さまざまな効能が。
フラボノイドは血管を拡張する作用や神経系を安定させる働きがあり、高血圧や血管系を患っている方にも効果が期待されます。

また、血行促進効果もあるので体を温める働きもあり冷え性にも有効です。
葛湯を食べるとお腹がじんわり暖かくなり、体がぽかぽかしてきますよ。

サポニンは若返り効果が期待できると言われています。
血管に付着するコレステロールを取り除いたり、血液中の脂質の量を減少させる働きも。

さらに、イソフラボンも含有していることから、更年期障害や生理痛の緩和、過剰なホルモン反応の抑制も期待できそうです。
葛に含まれるでんぷんは、体の生命活動に欠かせないエネルギーに変換されるので食欲がないときや、食べ物を口にできないときにも葛湯が役立ちますよ。

 

夏の疲れが出ている人は、本葛をつかった葛湯で養生してくださいね。

 

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本葛から期待できる効果

・血圧を整える
・肝機能向上
・血液の浄化
コレステロールの調整
・糖分代謝促進
・ホルモンバランスの安定
・精神安定
・外食が続いて胃腸が疲れているとき
・下痢や便秘といった腸内環境の問題
・風邪や発熱、インフルエンザなどウイルスによる発熱
・食欲のないとき
・免疫力の向上
冷え性の改善
・鎮痛作用
アンチエイジング